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Googleは、Geminiを活用した画像作成・編集アプリ「Google Pics」をGoogle Workspace向けに一般提供しました。プロンプトでの画像生成、画像内のオブジェクト単位の編集、テキストの翻訳、2K・4Kへのアップスケールを、Google Drive、Docs、Slidesとつながる環境で行えます。 制作チームにとって大きいのは、画像をつくるまでの時間が短くなることです。ただし、案を速く出せるようになるほど、比較・確認・修正・承認の回数は増えやすくなります。制作が速いことと、どの案を採用するかが明確であることは、別の課題です。 この記事ではGoogle Picsでできること、利用条件、そしてAI画像制作を案件として前に進めるためのレビュー・承認フローを解説します。
この記事は2026年9月16日時点のGoogle公式情報をもとにしています。Google Picsは段階的に展開中のため、利用可否や生成AIの利用上限は、実際の契約プランと管理コンソールで確認してください。

Google Picsとは?

Google Picsは、Gemini(Nano Banana)を活用したGoogle Workspaceの画像作成・編集ツールです。テキストの指示から新しい画像を生成するほか、手持ちの画像を読み込み、必要な部分だけを編集できます。 ブラウザで pics.new を開いて使えるほか、Google Driveでファイルを作成・管理できます。Google DocsやGoogle Slidesでは、画像を選択してPicsで編集することもできます。制作物をDriveに置き、資料や提案書で使いながら調整できる点は、Workspace中心で働く制作会社にとって扱いやすい設計です。 Google Workspace Blog:Google Picsの発表 Rapid Release環境では2026年9月1日から、Scheduled Release環境では9月15日から、最長15日かけて段階的に展開されています。管理者はドメイン、組織部門、グループ単位で有効・無効を設定できます。 Google Workspace Updates:展開スケジュールと提供条件

Google Picsでできること

AI画像生成

プロンプトを入力して画像を生成し、複数の候補から選べます。既存の画像をパソコン、Google Drive、Google Photosから読み込んで、要素やスタイルの参照に使うことも可能です。 たとえば、Webサイトのヒーロー用に「自然光の入る、採用サイト向けのオフィス風景」といったたたき台を用意し、実際のブランド素材を参照して調整する、といった使い方ができます。生成物をそのまま納品する前提ではなく、企画、方向性確認、デザイン制作の素材として扱うことが重要です。 Google ヘルプ:Google Picsの始め方

画像内の要素編集

Google Picsでは、画像内の特定のオブジェクトを選び、移動、削除、置き換えなどの編集を行えます。画像内の個別のテキストを編集、書式変更、翻訳する機能も案内されています。 画像全体を作り直さずに「机の上の小物を消す」「背景の雰囲気を変える」「画像内の見出しを日本語にする」といった修正を試せるため、修正案の準備は速くなります。一方で、修正対象と意図を曖昧にすると、複数の微妙に異なる案が増えます。変更の目的を言葉で残す運用が必要です。

2K・4Kアップスケール

Google Picsは画像を2Kまたは4K JPEGでダウンロードできます。高解像度のダウンロードは、プロモーション上の生成AI利用上限をより早く消費することがGoogleヘルプで案内されています。Web掲載用の確認画像と、最終用途向けの高解像度データを同じように扱わず、用途が確定してから出力サイズを選ぶのがおすすめです。 Google ヘルプ:ダウンロード・共有

バージョン履歴と共同編集

Google Picsには、不要な編集を戻せる継続的なバージョン履歴があります。また、他のWorkspaceアプリと同様にリンク共有や編集者・閲覧者の設定ができ、チームメンバーを招待して共同で作業できます。 Google Workspace Updates:編集履歴と共同作業 ただし、履歴は「どの画像がどう変わったか」をたどるためのものです。「この案で公開してよいか」「誰が最終承認したか」という案件上の判断を、履歴だけで管理するのは難しいことがあります。

Google Picsの料金・対象プラン

Google Picsに単独の月額料金は案内されていません。Google WorkspaceまたはGoogle AIの対象プランに含まれる機能で、生成AI機能の利用には上限があります。 対象として案内されている主なプランは、Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、AI Expanded Access、Google AI Pro、Google AI Ultra、Google AI Pro for Educationです。少なくとも2027年2月28日までは生成AI機能へのアクセスが拡大され、その後は利用が制限される可能性があります。 Google ヘルプ:Google Picsの提供条件 料金を検討するときは、Google Picsの有無だけでプランを選ぶのではなく、現在のWorkspace契約、利用者数、Drive容量、既存のGemini利用枠を一緒に確認してください。すでに対象プランを利用しているチームなら、追加ツールを増やさず試せる可能性があります。

制作スピードが上がると増える「レビュー」

画像生成・部分編集が短時間でできると、クライアントに提示する案を増やせます。これは検討の質を上げられる一方で、次の状態を招きやすくなります。
  • A案をもとに修正したB案と、別の意図で作ったC案が混在する
  • チャット上の「これでお願いします」が、どのファイルへの回答か分からない
  • 社内確認とクライアント承認が同じ会話に混ざる
  • 以前の方向性に戻したいとき、最新版と採用案を取り違える
AIは制作の試行回数を増やします。だからこそ、レビューを「画像を見る作業」ではなく、判断を完了させる工程として設計することが大切です。

AI時代の制作案件で管理すべき4つ

どの案が最新か

ファイル名やコメントに、案の名称、更新日、変更内容を残します。たとえば「FV画像_B案_2026-09-16」のように版を識別し、「人物を減らし、余白を広くした」と更新理由を添えます。Google Picsの履歴は制作中の差し戻しに役立ちますが、レビューに出した対象を明示する役割までは代替しません。

誰が確認するか

修正担当、社内確認者、クライアントの承認者を分けます。「ご確認ください」ではなく、「社内確認:ディレクター」「最終承認:クライアント担当者」のように、誰の返答を待つかを明示します。決裁者が不在のレビューは、意見が集まっても案件を前進させません。

何を修正するか

画像リンクと一緒に、確認観点を絞って依頼します。たとえば「人物の表情ではなく、ブランドカラーと余白の印象を確認してください」と書くと、フィードバックの粒度をそろえやすくなります。修正が複数ある場合は、画像へのコメントだけに埋めず、対応項目として箇条書きにします。

どの案が承認されたか

承認の返信と対象ファイル、承認日を同じ場所に残します。「問題ありません」だけでは、どの版の承認かが後で分かりません。「FV画像_B案_2026-09-16を承認。WebサイトのPC・SPで使用」のように、対象と用途を記録するのが安全です。

制作ツールと案件コミュニケーションを分ける

Google Picsは、画像を生成・編集し、Workspace内で共同作業する場所です。一方、制作案件には、クライアントとの確認依頼、修正の優先順位、期限、最終承認というコミュニケーションがあります。 両者を無理に一つのツールで完結させる必要はありません。Picsは成果物をつくる場所、案件スレッドは成果物について判断を進める場所、と役割を分けると、ツールの強みを活かしやすくなります。 WakeChatでは、顧客や案件ごとのチャンネル内に、確認事項ごとの案件スレッドを作成できます。スレッドに状態、期間、会話、ファイルをまとめられるため、日常のチャットにレビュー依頼や承認が流れていく状態を防ぎやすくなります。

AI制作時代のおすすめ進行フロー

最初から複雑な承認ルールをつくる必要はありません。Google Workspaceを利用している制作チームなら、まずは一つの画像制作案件で次の流れを試すのがおすすめです。
  1. Picsでたたき台を作る:プロンプトや既存素材を使い、方向性の異なる案を少数に絞る
  2. 社内レビューを行う:レビュー対象、確認観点、社内の判断者を明示する
  3. クライアント確認用のスレッドを作る:PicsまたはDriveのリンク、案名、確認してほしいこと、回答期限、承認条件を記載する
  4. 修正内容を確定する:コメントを対応項目に整理し、次の版で何を変えるかを残す
  5. 承認を記録して完了にする:承認された案と用途を明記し、必要なら最終データのリンクを添える
Google Picsで制作の試行を速くし、WakeChatで確認・修正・承認を案件単位で追う。この分担なら、案が増えても「今、誰の判断を待っているか」を見失いにくくなります。 案件スレッドの使い方を見るWakeChatの機能を見る無料でWakeChatを始める

まとめ

Google Picsは、Workspace上でAI画像の生成と精密な編集を進められる新しい選択肢です。対象プランであれば、既存のDrive、Docs、Slidesの流れに組み込みやすいでしょう。 一方、画像を速くつくれるほど、レビューと承認の整理は重要になります。制作場所と、案件の判断を残す場所を分け、対象案・確認者・修正内容・承認結果を明確にすることが、AIを制作の成果につなげる近道です。

参考情報