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Googleは2026年9月15日、Google Driveで「データの機密度」と「共有相手」を一つのルールで組み合わせられる新しい共有境界機能を発表しました。分類ラベルまたはDLP(データ損失防止)条件に応じて、外部共有を止める、許可した組織・グループ・ドメインだけに共有する、特定の外注先などへの共有だけを止める、といった制御ができます。 Google Workspace Updates:共有境界ルールの発表 制作会社では、クライアント、業務委託のデザイナー・エンジニア、撮影会社など、社外の人とDriveを共有する場面が日常的にあります。外部共有を一律に禁止すれば業務は止まり、自由にすれば誤共有のリスクが高まります。 この記事では新機能の意味を整理しながら、クライアント・外注とのファイル共有ルールをどう見直すべきかを解説します。
この記事は2026年9月17日時点のGoogle公式情報をもとにしています。機能は9月14日から最長15日かけて段階的に展開中です。利用できるエディションや管理コンソールの表示は、契約内容と実際の環境で確認してください。

Google Driveの共有制御は何が変わる?

従来もGoogle Workspaceでは、共有先に応じたTrust rulesと、ファイル内容に応じたDLPポリシーを別々に管理できました。今回の機能は、この二つを一つの「データ保護ルール」で評価できるようにするものです。 管理者はGoogle Driveを対象にして、分類ラベルまたはDLP条件で「どのようなデータか」を指定し、組織部門、グループ、ドメインなどで「誰に共有するか」を指定します。共有を止める方法は次の3種類です。 これはファイル作成者がその都度設定する機能ではなく、管理者が組織のルールとして設定するものです。対象はEnterprise Standard・Plus、Education Fundamentals・Standard・Plus、Enterprise Essentials、Frontline Standard・Plusと案内されています。小規模チームが直ちに上位プランへ移行すべきという意味ではありませんが、共有相手が増え、扱うデータの機密度に差がある組織では、検討材料になります。 Google Workspace Updates:対象エディションと展開予定

「誰に共有するか」だけでは足りない理由

「外部共有を許可する/しない」だけのルールでは、制作業務の実態に合いません。同じクライアントへ共有する場合でも、公開済みのロゴデータ、提案中のデザイン、見積もり、問い合わせ一覧では、漏れたときの影響が異なるためです。 逆に、ファイルの重要度だけを分けても不十分です。「社外共有可」とされた資料を、どの社外関係者へ渡してよいかは案件ごとに変わります。新しい仕組みは、この二つを掛け合わせて、たとえば「未公開デザインはA社のドメインにだけ共有可」「個人情報を含むCSVは社外共有不可」のような境界を作れます。 大切なのは、細かなルールを最初から増やすことではありません。まずは「絶対に外部へ出さないもの」「特定のクライアントにだけ渡すもの」「外部共有してよいもの」の3段階で、チームの共通認識をつくるのがおすすめです。

制作会社で起きやすい誤共有

別クライアントの資料

複数案件を並行すると、提案書の複製や共有リンクの貼り間違いで、別のクライアント情報が混ざることがあります。案件ごとにフォルダと共有先を分け、クライアントに渡す資料は「外部共有用」として保存場所を分けると、取り違えを減らせます。

未公開デザイン

公開前のサイト案、キャンペーン素材、撮影カットは、リンクを知っている人が広く見られる設定では扱いにくい情報です。レビューに必要なクライアントと担当外注だけに共有し、公開後に共有範囲を広げるか、不要になったアクセスを外します。

個人情報

問い合わせ一覧、会員データ、採用候補者情報などは、通常の制作レビュー用フォルダと分けるべきです。誰が何の目的で扱うかを明確にし、社外共有が必要な場合も、対象ファイル・受け渡し方法・期限を個別に決めます。分類ラベルやDLP条件を使える組織では、こうしたデータを外部共有不可にするルールが候補になります。

契約終了した外注スタッフ

案件が終わっても、過去の共有フォルダや案件チャットへの参加が残ることがあります。終了時の確認を担当者の記憶に任せず、「Driveの共有」「チャットの参加チャンネル」「利用アカウント」を同じチェックリストで見直すことが重要です。

案件ごとにアクセス範囲を分ける

おすすめは、ファイルと会話の境界を同じ案件単位でそろえることです。たとえば、クライアントA社のサイトリニューアルなら、DriveではA社向けのフォルダと許可済みの共有先を定め、チャットでもA社案件のチャンネルに必要な人だけを招待します。 フォルダ、チャンネル、スレッドの名前も案件名でそろえると、共有先の確認がしやすくなります。「A社|サイトリニューアル」のように、一覧で案件を特定できる表記が実務的です。

クライアント・外注を招待するときのチェックリスト

招待を送る前と、案件の終了時に次を確認します。
  • 共有するファイルは、その相手・その案件に必要なものだけか
  • 「リンクを知っている全員」ではなく、必要なメールアドレス・ドメインに限定できているか
  • 編集権限が本当に必要か。閲覧者・コメント可で足りないか
  • 個人情報、契約、未公開の素材が通常の共有フォルダに混ざっていないか
  • 相手の担当者変更・契約終了時に、Driveとチャットの両方から外す担当者が決まっているか
  • クライアントへ見せない社内検討が、別の非公開チャンネルまたはフォルダに分かれているか
特に「期限」を決めない共有は残り続けやすいものです。案件完了、納品後30日、契約終了日など、見直すタイミングをあらかじめ決めると運用が続きます。

チャットとファイルの権限を揃える

高度なDLPや分類に基づく共有制御が必要な大規模組織では、Google Workspaceの対象エディションのような仕組みが適しています。一方で、日々の案件運用で最初に整えるべきなのは、どの人がどの案件に参加するかという境界です。 WakeChatでは、公開・非公開チャンネルとロールを使い、案件に必要な人だけを参加させられます。クライアントや外部パートナーはゲストとして必要なチャンネルに限定して招待し、社内の検討は別の非公開チャンネルで進める設計ができます。 ワークスペースとチャンネルの管理アカウントと権限 重要なのは、DriveとWakeChatのどちらか一方だけを厳しくすることではありません。ファイルの閲覧権限と、会話の閲覧権限を同じ案件境界で設計し、招待時と終了時に一緒に見直すことです。これができると、共有を必要以上に止めずに、別案件の情報や終了した外注先への誤共有を減らせます。

まとめ

Google Driveの新しい共有境界ルールは、データの機密度と共有相手を組み合わせて、外部共有を細かく制御する機能です。対象プランの組織なら、個人情報は外部共有不可、未公開資料は信頼済みの相手だけ、といったポリシーを管理者が統一できます。 ただし、機能だけでは誤共有を防げません。制作会社では、案件ごとにフォルダ・共有先・チャットチャンネルを分け、クライアントや外注の参加範囲を最小限にする運用が土台になります。まずは一案件を選び、Driveとチャットの参加者が一致しているかを棚卸しするところから始めましょう。

参考情報