この記事は2026年9月19日時点のFigma公式リリース情報をもとにしています。機能の提供範囲や操作は、利用しているFigmaプラン・環境で確認してください。
Figma nodeとは?Weaveとの連携で何が変わった?
Figma nodeは、Figma Designの既存フレームをFigma Weaveのワークフローへ取り込むためのノードです。Figma上でフレームをコピーしてWeaveへ貼り付けると、ワークフロー内のノードとして使えます。 重要なのは、フレーム全体を毎回AIで作り直すのではないことです。差し替えたいテキストレイヤーと画像レイヤーをワークフローの入力として選び、それ以外のフォント、レイアウト、スタイルは元デザインのまま保持します。ブランドの見た目を保ちながら、可変部分だけを量産する設計です。 Figma公式は主な用途として、キャンペーンのバリエーション、ローカライズ用アセット、新しいビジュアル、動画の制作を挙げています。また、元のFigmaデザインの変更をWeaveに取り込み、接続済みアセットを最新の状態に保てると案内しています。 Figma Release Notes:Figma nodeの機能 ただし、この同期は「すべての派生物が自動的に公開可能になる」という意味ではありません。レイアウトやブランド要素の変更を派生物へ反映する仕組みと、案件として確認・承認を完了させる仕組みは、分けて考える必要があります。1つのデザインから大量の派生物を作れる時代へ
従来もコンポーネントやテンプレートで展開はできました。Figma nodeによって、元デザインの構造を保ちつつ、AIワークフローで可変要素を扱う選択肢が増えます。特に、次のような「同じ意図を多くの形にする」制作で効果が出やすいでしょう。LP・バナーのサイズ違い
同じキャンペーンでも、Web広告、SNS、メール、LPのアイキャッチでは必要なサイズや情報量が異なります。デザインの正本で余白、ロゴの扱い、文字組み、禁止事項を定め、各サイズで商品画像や訴求だけを変えると、媒体ごとの制作物に一貫性を持たせやすくなります。 ここで気をつけたいのは、サイズ違いを「別案件」として散らさないことです。元となるフレーム、派生先、制作目的をひも付けておくと、後からブランドカラーやコピーのルールが変わっても、影響範囲を把握できます。多言語・ローカライズ
言語が変わると、文字数、改行、読み順、画像内テキストの扱いが変わります。日本語版を複製して各国語版を個別に調整し始めると、いつの間にか一部の国だけ古いロゴやコピーを使っている状態になりがちです。 基本のレイアウトとスタイルをFigmaの原本で維持し、言語、商品名、画像などの可変部分をWeaveで展開する考え方は、この問題を小さくします。ただし、翻訳の正確性、地域の広告規制、文化的な表現は、AI生成や同期の対象として一括で済ませず、言語・市場の担当者が確認する工程を残してください。広告クリエイティブのバリエーション
広告では、同じ商品でも訴求、人物、背景、CTAを変えた複数案を検証します。案の数が増えるほど「どれが検証用か」「どれが配信済みか」「どれが次回使えるか」が曖昧になります。 制作段階では、Weaveで複数の派生案をつくることに価値があります。一方、配信対象を決める段階では、各案に目的、対象媒体、確認者、最終判断を付ける必要があります。生成の場所と判断の記録を同じものとして扱わないことが大切です。制作物が増えるほど難しくなる「どれが最新版?」
「最新版」という言葉には、少なくとも二つの意味があります。- デザイン上の最新版:ロゴ、フォント、レイアウト、コピーのルールを含む、現在の正しい原本
- 案件上の最新版:今回の用途・媒体・期間について、確認や承認を経て使うと決まった成果物
制作会社で決めたいSource of Truth
おすすめは、制作物を一箇所に集約することではなく、情報の種類ごとに正本を決めることです。次の分担は、多くのWeb制作・広告制作案件で始めやすい形です。原本はFigma
Figma Designを、レイアウト、スタイル、コンポーネント、コピーの基準となる原本にします。案件内で「正本のURL」を一つ決め、原本を複製して別々に編集する運用は原則避けます。 変更があったときは、変更箇所だけでなく、変更の意図を残すことが有効です。たとえば「秋キャンペーンからロゴの余白規定を更新」「価格表記を税込に統一」のように記録しておくと、派生物を更新すべき理由を制作担当者以外も判断できます。派生物はWeave
Figma Weaveは、原本に接続した状態で、テキスト、画像、言語、訴求などの可変要素を展開する場所です。派生物には、少なくとも「どの原本から作ったか」「何を変えたか」「何の用途か」が分かる名前やメタデータを付けます。 例えば2026AW_新商品_Instagram_1080x1080_訴求A_日本語 のように、案件・用途・サイズ・訴求・言語をそろえておくと、一覧で比較しやすくなります。連番だけの final_v7 は、AI制作ではすぐに意味を失いやすいため避けるのが無難です。
クライアント承認は別途記録
FigmaのコメントやWeave上の作業履歴は、制作過程の確認に役立ちます。しかし、案件として誰が、いつ、何を、どの用途で承認したかを後から説明するには、承認対象を明記した記録が必要です。 承認依頼には、次の五つをセットにします。- 確認対象:FigmaまたはWeaveのURLと、対象フレーム・アセット名
- 確認してほしいこと:例「コピーとブランド表現を確認してください」
- 用途:例「Instagram広告、10月1日から10月31日まで配信予定」
- 承認者と期限:誰の回答をいつまで待つか
- 承認結果:承認・修正・保留の結果と、その日時
「最新版」と「承認済み」は別物
この区別を案件の状態として扱うと、更新判断がしやすくなります。以下のように分けるだけでも、やり取りが整理されます。
原本が更新されたとき、公開済みの成果物を変更するかは別の判断です。ブランド上の誤り、法令表示、価格変更のように即時対応が必要な場合もあれば、次のキャンペーンから反映すればよい場合もあります。同期の可否だけで決めず、案件の状態と影響範囲を見て判断してください。
AI制作時代のおすすめ案件運用
最初から複雑なルールを導入する必要はありません。まずは一つのキャンペーン案件で、次の流れを固定することをおすすめします。- Figmaで原本を確定する:対象フレームのURLを案件に記録し、何を正本とするかを全員に共有する
- Weaveで必要な派生物をつくる:サイズ、言語、訴求、画像を変える範囲を決め、派生物の命名規則をそろえる
- 社内で確認する:ブランド、コピー、画像の利用可否、媒体仕様を確認し、クライアントに出す案を絞る
- 案件スレッドで承認を依頼する:対象URL、確認観点、用途、期限、承認者を明記する
- 承認結果と公開状況を記録する:承認済みの版を特定し、入稿・公開後は実際に使った版と公開先を残す
- 原本変更の影響を確認する:Figma更新時に、更新が必要な派生物と、すでに公開済みで判断が必要な成果物を分ける